今回は30代後半で妊活を開始された方の体験談をご紹介いたします。
1年程タイミング法を続けるも妊娠せず。人工授精でもうまくいかず、困ったところで偶然友人に有名な体外受精専門院を紹介してもらう。
初期流産を経験するも妊娠できたことを前向きにとらえ、無事に出産を迎えられたとのことです。
ぜひ最後までお読みください。
プロフィール
名前:Sachiさん(仮称)
妊活時の年齢:30代後半
妊活期間:約3年
不妊の要因:精子の奇形率の高さ、その他不明(検査上は異常なし)
不妊治療:人工授精、体外受精
治療費:約160万円(助成金が75万円程度)
治療を始めたきっかけ
私達夫婦が結婚したのは妻30代前半、主人が30代後半でした。お互いいい年齢でしたので、子どもはすぐにでも欲しいと思っていました。1年ほどは排卵検査薬を使用してセルフタイミング法を実施。それでも一度も妊娠することがありませんでした。
私はすぐに不妊治療をやってみたいと思いましたが、主人はもともと自然に子供を授かる事を望んでいましたので、病院で人工的には作りたくないと消極的で、私1人で通うことしました。
夫婦で検査をしましたが特に異常はないとのことで、タイミング法から始めることにしました。生理開始から10日目ごろから卵巣をエコーで見てもらって卵の育ち具合を確認し、排卵日を特定し、性交渉を行います。自然妊娠を少しサポートするという形です。エコーは膣内に細い棒を入れて卵巣を見ますが、痛みはありません。むしろ卵が成熟しやすいように打つ注射が筋肉注射だったので、お尻に打った後とても痛かったです。
タイミング法は8回ほど行いましたが効果がなかったので、ステップアップすることにし、人工授精を2回ほど行いました。人工授精は今までのタイミング法と同様に排卵日を特定し、排卵日直前にカテーテルのような器具で当日採取した精子を注入します。痛みもなく、思ったより気軽な治療でした。しかし結果は2回とも陰性。
ちょうど通院してから1年ほど経っていまいた。
体外受精へのステップアップ!
ここまでタイミング法・人工授精と費用は保険が適用しましたので、躊躇なく進みましたが、
この先は体外受精。一気に費用は高くなりますし、仕事をしながら終わりのない治療は出来るのかとすごく悩みました。まだ体外に行くのは早いのではと主人に言われましたが、精神的に疲れていたので、早く結果を出したかったのと、年齢が若いほうが有利ということで思い切ってチャレンジすることにし、会社を退職。幸い私の貯金が少しありましたので、自治体の助成金がでる回数はチャレンジしようと決断しました。
そして体外受精を行う病院選び。体外受精といえば、ホルモン注射を毎日のように打ち、体に負担がかかると聞いていたので、いろんな不安がありました。
そんな時、たまたま体外受精を行っている友人夫婦と遊ぶ機会があり、治療内容について聞いたところ、その病院は極力ホルモン注射を打たずに自然に育てた卵を採卵する体外受精専門の病院でした。国内でトップクラスの技術や設備で妊娠率もとても高いとのこと。
県外なので通院は大変ですが、私達夫婦は自然で体に負担が少ないという治療方針に共感し、電車で2時間かけて通院することにしました。
病院は東京駅から近くでしたので、ランチをしたり、買い物をして帰ったり、ストレスをためずに楽しく通院するように心がけました。
体外受精の治療スタート
治療は、以前の個人病院では異常なしでしたが、改めてホルモン値や精子を夫婦詳しく検査すると、夫の精子が一見いいように見えるが詳しく見ると奇形率が高く、通常の妊娠は難しいという診断でした。今までは他人事だった主人も、自分にも原因があることが分かると、ショックもあったと思いますが、ここから一緒に前向きに取り組んでくれるようになりました。それだけでも私としては、今まで1人で治療してきた期間に比べると精神的にとても楽になりました。
そして精子に問題がある場合は、顕微鏡でいい精子を選べばいいだけなので、体外受精で結果が出やすいと先生に言っていただけたのでとても安心しました。
通院は月に7回ほどでした。初めての採卵はとても緊張しましたが、この病院に通院している人みんながこの試練を乗り越えて頑張っていると思うと、自然と同志のような気持ちになり、私も頑張れました。
そして終わると、あれ?思っていたより採卵ってあっけないなとハードル低いなと感じるほどでした。
結果は、1回目と2回目の採卵ではとれた卵が移植できるレベルの胚盤胞まで育たずに終了。でも先生曰く、今までのタイミングや人工授精で使ったホルモン剤の影響で質の悪い卵ばかりになってしまっていたので、卵巣のお掃除の期間ということでした。
3回目の採卵・移植で妊娠しましたが、初期で流産してしまいました。
それでも初めての妊娠でしたので、今までの日々から比べるとすごく希望が見え、次も頑張ろうと前向きになれました。
そして体調を整え、4回目の採卵・移植で無事妊娠したのは東京へ通って1年経った頃でした。
妊娠中は特に異常もなく、出産は超安産。生まれた子供はすくすく育ってとっても元気です。
治療を経て
治療費は確かにかかりましたが、自治体の助成金も活用できたので、半分弱くらいは補えました。私自身はステップアップも早めでしたし、体外受精では4回採卵、2回の移植で妊娠に至ったのはとても運よく結果が出たほうだと思っています。
でも、その結果が出たのは、体外受精に思い切って挑戦したからだと思っています。
原因が特にない、わからないけど数年妊娠に至らないという方は、一度最先端の病院で検査だけでも行うと意外な原因が見つかるかもしれません。
また、ステップアップを迷われている方は、費用のこともあると思いますが、年齢が若いほうが有利ですので、思い切って早めに決断することをお勧めします。子供を望む方が1人でも多く幸せになれるように祈っております。
かかった費用
タイミング法8回 80,000円
人工授精2回 40,000円(内16,000円自治体の助成)
体外受精 採卵4回、移植2回1,600,000円(内750,000円自治体の助成)
Q&A
月に7回の通院についてですが、採卵の月は生理3日目、10日目、13日目は通院が決まっていて、そこから人によりますが、排卵日まで2日に一回くらい通って、排卵日を見極めて行きます。
そして充分な卵胞の大きさになり、成熟する排卵日付近に採卵をします。採卵後は次の生理まで通院はありません。なので、その人の生理周期によって、通院回数は変わるとおもいます。
次の月には移植になり、こちらも同様の日にちに通院して排卵日を特定し、排卵から2日後に移植します。
移植後は4日後、7日後と妊娠してるかホルモン値の確認があり、うまくいけばその後は週に一回くらい通って移植後1ヶ月半程で心拍が確認できたら卒業です。
主人は最初の精子検査と、精子保管の為に行くだけで大丈夫なので、基本的には女性だけの通院です。
採卵当日に、同行して新鮮精子を使う場合は一緒に行きますが、採卵は前日に決まるので、予定調整が難しいので、だいたい精子凍結しておくのが一般的だとおもいます。
私は1年通いましたが、移植後流産するとホルモン値が通常に戻るまでお休みになります。
移植もホルモン値が足りないと延期になったりします。うまくいけば3ヶ月くらいで妊娠しますが、いろんなケースがあるのでスムーズにいくのはなかなか難しいとおもいます。
私の場合ですが、以下のようなスケジュール感でした。
体外受精のスケジュール
4月 初診
5月 採卵するが、凍結ならず
6月 採卵するが、凍結ならず
7月 移植前にホルモン値足らずに延期
8月 移植
9月 妊娠するが、流産
10,11.12通院お休み
1月 採卵
2月 移植
3月 妊娠
4月 卒業
これは私のケースですが、人によっては1度の採卵で何個も凍結できた場合は、移植を繰り返すだけになりますし、年齢がいくと、採卵しても移植できるレベルの卵が取れずに何回も採卵する人もいます。
また、これはホルモン剤をあまり使わない病院なので、一般的にはホルモンを二週間毎日注射して、卵をたくさん採卵するというのが今の体外のスタンダードです。
不妊治療はその人の体や、病院の治療方針で通院回数や期間は様々なので、自分にあうところを調べて選択する必要があると思います。
以上になります!