今回は28歳で妊活を開始された方の体験談をご紹介いたします。
結婚後すぐに妊活を始めるも、タイミング法ではなかなか妊娠ができず。しかし、転院と旦那様の転勤が重なり、バタバタした状況の中行った初めての人工授精で見事に妊娠されました。
ぜひ最後までお読みください。
プロフィール
名前:Akariさん(仮称)
妊活時の年齢:28歳
妊活期間:不明
不妊の要因:精子の運動率の悪さ
不妊治療:タイミング法、人工授精
治療費:約3万円程度
結婚後すぐに妊活を開始
私は28歳の時に27歳の夫と結婚しました。
当初から、妊活を始める際はすぐに不妊治療を始めようと決めていました。と言うのも、私自身が女性疾病に罹りやすい体質で、20代の前半で卵巣嚢腫の手術を受けたり生理不順の治療をしていたからです。
排卵日の予測をアプリだけで判断するには難しく、きちんとお医者さんに診てもらいながら確実にタイミングを計ろうと思いました。
近所の産婦人科から総合病院へ転院
早速近くの産婦人科へ。最初にかかったのは分娩も対応している個人病院でした。
近所でも評判の良い、男性の先生が院長をされていました。年配の方でしたが長年いろいろな妊婦さんを診察されていることもあって、内診は的確で痛みもほぼありません。
まずはタイミング法で自然妊娠を促す方針を固めて、排卵日付近の卵巣をチェックしてもらいました。
ドラッグストアで購入した排卵検査薬も使用して、数ヶ月のタイミング療法。射精後に腰の下に枕を入れて高く上げる。葉酸サプリを飲む。規則正しい生活や栄養バランスのある食事など、出来ることは手当たり次第実行しました。しかし、残念ながら自然妊娠には至りませんでした。
先生からも卵管造影剤の検査を提案されて紹介状をいただいた後、施設の整った総合病院へ転院することに。
かなり痛みを伴うことで有名な卵管造影検査ですが、幸いにも(?)手術でお腹を切った経験があるため痛みには慣れていました。
勿論管が入る時や造影剤が注入される感覚は何とも言えない違和感があります。万が一不快感が酷かったり異変を感じることがあれば、その場ですぐ看護師さんにお伝えできるので安心して下さい。
検査の結果は特に問題もなく、もう少しタイミング法を続けましょうと診断されました。この時、すぐにでも人工授精に切り替えていればもう少し結果は違ったのかもしれません。しかし造影剤の後は妊娠の確率が上がるとの話を聞いたことがあるので、私も先生の指示に従って排卵確認を続けました。
仕事と不妊治療の両立
どのクリニックにかかっても同じことですが、確実なタイミングを得るには、細かく卵巣のチェックしてもらうことが大事です。
当時私は正社員として働いていましたが、朝一番にクリニックで受診できたとしても、どうしても始業時間に間に合うことができません。仕事が山積みになっていく中で「また明日にもう一度来て下さい」との一言が重荷に感じることもしばしば……。上司や先輩、同じ部署の同僚に不妊治療のことを話してはあるものの、遅刻の報告と業務の指示書を作ることがとても大変でした。
私の他にもう一人不妊治療をしている方もおり、男性の上司に「揃いも揃ってなんで妊娠しないの?」と心ない一言を受けることも辛かったです。
2度目の転院と旦那様の転勤
そして案の定、タイミング法では埒があかないとなったため夫と相談をして再度転院を試みます。
総合病院でも人工授精は可能でしたが、ステップアップを考えた時にすぐ実行できるようにと、不妊治療専門院を選びました。
この時、夫自身も念のため精子の検査を行いたいとの希望があったため、泌尿器科を受診。簡単な検査ではありましたが、若干運動率が悪いとの結果が出たので、すぐに人工授精へと切り替えになりました。
段取りを確認していざ治療開始と言うところで、まさかの辞令。夫の転勤が決まったのです。
隣県ではありましたが、新居から私の職場へは通勤が困難と言うことで、リモートワークを勧められました。確かに治療代のことを考えるとお仕事は続けた方が良いのかもしれません。しかしマニュアルや勤怠管理など、何度話し合いをしても条件に見合う結論が出なかったため、思いきって退職を決意しました。
引越し作業のかたわらで引き継ぎ資料の作成や挨拶回りを行っていたため多忙を極めており、心身共に疲れきっていたのをよく覚えています。
引っ越し前の人工授精でなんと妊娠!
転院準備のために紹介状作成をお願いしようとクリニックを訪れた時、排卵日も近いから人工授精だけでも挑戦しないかと先生が仰って下さいました。
折角のチャンスだし、もしこれで妊娠しなくても紹介状は作成するから、新天地でもう一度頑張れば良いと。心強い一言に背中を押されて、引越し日ギリギリまでなんとか治療を続けました。
排卵日の前に夫に精子を採取してもらい、その足ですぐクリニックへ。運動率の良い精子をピックアップされ、そのままスムーズに人工授精をすることができました。卵管造影剤より更に違和感なく、普通に内診を受けている間に終わってしまった感覚です。
授精が終わった後はホルモン剤を肩に注射してもらい、クロミッドを処方されて終了しました。
帰り際に先生から「きっと上手くいくから大丈夫だよ」との励ましが。普段は淡々としていても決して高圧的なことはなく、治療を受けられる患者さんにしっかりと寄り添ってくださるとても良い先生でした。
数週間後、引越しの荷解きも漸く終わる時期に、ふと生理が遅れていることに気付きました。
そこからあれよあれよと言う間につわりのような気持ち悪さが押し寄せ、妊娠検査薬を使うと待望の陽性反応。まだ新居周辺の散策も十分にしていなかったので、トイレに篭って慌てて近所の産婦人科を検索しました。
つわりが酷く入院したりもしましたが、ありがたいことに胎児は元気で順調な妊娠生活を送ることができました。ちょうど、30歳の夏頃です。
まとめ
私の場合、人工授精一回目で赤ちゃんを授かることができたのでとても幸運なことだと感じています。
もし人工授精が上手くいかない場合は、体外受精や顕微受精など、やれるところまではステップアップをする予定でした。夫と都度話し合って、二人で同じ方向を向いて妊活を行えたこともプラスに働いたのではないでしょうか。
引越しと言う環境の変化と退職。大きな動きがある中でも夫は変わらずそばで支えてくれました。それにより肩の荷が下りてストレスが軽減されたのかもしれません。
不妊治療の助成金に関してですが、自治体に問い合わせた所、その当時は私達夫婦は対象外となりました。助成金額や所得制限など各自治体によって変わる項目もありますので、ホームページで調べたり問い合わせをするのが好ましいと思います。
タイミング法は保険適用なので数千円前後で行うことができましたが、人工授精は保険適用外のため一万円ほどかかりました。また、卵管造影剤の検査をする場合は二万円以上かかると見ておいた方が良いでしょう。
それから不妊治療は医療費控除の対象になるため、夫の分もあわせて確定申告をしたところ還付金を受け取ることができました。
治療を行う他に調べることも沢山ありましたが、全てを通して勉強になりました。
コロナ禍の時期、治療を始めようか迷っていたり治療を続けるべきか不安に感じているご夫婦もいらっしゃることと存じます。
私も不妊治療をする上で、一番大切なことは夫婦が心身共に健やかでいられることだと感じました。そのためには、まずしっかりと話し合って体調を管理することが大事だと思います。
先の見通しができない中で進むのは勇気のいることですが、ご夫婦の決断が良き方向に動いていけるよう、心からお祈りしております。