妊活の体験談

【体験談063】妊娠はできるのに胎児が育たない。不育症の体質でありながらも二人のお子様に恵まれた20代女性の体験談です。

体験談の画像63

今回は20代で妊活を開始された方の体験談をご紹介いたします。

一度目の流産のときに、抗リン脂質抗体症候群であることが判明し、自身が不育症の体質であることがわかったそうです。投薬治療や体質改善に励み、二人のお子様を授かりました。

ぜひ最後までお読みください。

プロフィール

名前:Meiさん(仮称)

妊活時の年齢:(第一子)24歳 (第二子)20代後半

妊活期間:不明

不妊の要因:抗リン脂質抗体症候群

不妊治療:妊娠中の投薬治療(血栓を溶かす薬)

治療費:不明

自分が流産するとは思わなかった

私の母は23歳で私を出産し、私が学生の頃は「若いお母さんでいいなあ。」とよく言われました。そんな母に憧れて私も早く子供を産みたいと思い、24歳で同級生だった旦那と結婚しました。

結婚前からアプリを使って生理周期だけは記録しており、ネットで読んだ情報と排卵日に合わせてタイミングをとりました。ありがたいことに結婚して2ヶ月で妊娠が判明、ドキドキしながら病院に行きました。診察を受けた時は6週にはいったばかりでしたが、胎嚢が確認されてすごく嬉しかったことを今でも覚えています。

一週間後の診察では心拍が確認され、予定日も出してもらえました。お医者さんからは「次はまた一週間後に診察で、次の時に母子手帳申請の用紙を渡します。」と言われ、心拍も確認できたことだし大丈夫だろうと安易に考えていました。またその頃になるとつわりの症状が現れ始め、しんどいけど赤ちゃんが元気な証拠だと思って頑張って耐えました。

しかし次の診察まであと3日という日の午前中、突然つわりがなくなってすっきりした日があり、あまり気にせず過ごしていると午後からは気持ち悪さが戻ってきて、「やっぱり気のせいだったか。」と悲しくなりました。でも3日後の診察であの時悲しく思った自分に後悔しました。

いつも通りに診察台に座り、赤ちゃんに会えるんだとわくわくしたのも束の間、(心臓のチカチカしたのが見えない…)素人の私が見てもすぐ分かりました。先生も色んな角度から確認しましたが「残念だけど、赤ちゃん心拍止まってるわ。お母さんの体の中で亡くなってしまう稽留流産っていうやつだわ。」と言われ、頭の中は真っ白になりました。

先生は淡々と手術の必要性を話し、日程をいつにするか聞いてきましたが現実を受け止められないのと、この期に及んで手術が怖いことで頭がいっぱいでした。診察室を出て家族や妊娠を報告していた少数の友人にLINEで報告していたら涙が出てきて止まらず、旦那が心配して迎えに来てくれた時は外で大号泣しました。

帰ってからも何がいけなかったのか、手術ってどんなことをするのか不安で検索魔になり、考えているうちに精神的に追い詰められて過敏性大腸炎を起こし、下痢が止まらなくなるほどでした。恐れていた手術は勿論痛みもあり、お腹の中の赤ちゃんとの別れも悲しかったですがなんとか無事終わり、その日は心も体もぐったりでした。

術後の診察で不育症だと告げられる

術後の経過を見るために病院を受診しました。術後の体に問題はありませんでしたが、流産の原因を聞いて驚きました。

先生から「流産の大半は原因が分からないんだけど、あなたは血液検査の結果、抗リン脂質抗体症候群の予備軍で赤ちゃんの心拍が止まったみたいなんだよね。」と言われ、初めて聞く名前に困惑しました。

先生の説明によると、不妊症と不育症という体質があり、不妊症は妊娠が難しい体質、不育症は妊娠したもののお腹の中で育てることが出来ず流産または死産してしまう体質であり、私が告げられた抗リン脂質抗体症候群はこの不育症に該当するものでした。

人間は普段から体内で血栓(脳梗塞の原因になるもの)を作っているのですが、血管で詰まらないように自分で血栓を壊しているそうです。私は血栓を壊す役割をしている「抗リン脂質抗体」という免疫細胞を自分で攻撃してしまうため、結果的に血栓を壊すことができず細い血管に詰まってしまうそうです。

妊娠初期は母体と赤ちゃんをつなぐ血管が出来立てで細く、その血管を通して酸素や栄養を送るのですが、私はその細い血管に血栓が詰まり赤ちゃんに酸素や栄養が行き渡らなくなり亡くなってしまったそうです。私の体質で流産したのかと思うと、とてもショックでした。先生に「食べ物や生活習慣は関係ありますか。」と聞いてみましたが、特に関係なく「次の妊娠が分かったら血栓を溶かす薬を飲みながら経過を見ていきましょう。」と言われました。

二度目の妊娠

初めての時はすぐに妊娠しましたが、術後から3ヶ月経過して妊活の許可が出た後は思ったよりすぐには授かりませんでした。

焦る必要はないのになぜか焦ってしまい、毎月生理がくるたびに肩を落としていました。主人には「焦らずいこう。大丈夫だよ。」とよく励ましてもらいました。私は勿論流産で体も心もボロボロでしたが、主人は体の痛みは無くても心の痛みは私と同じくらいあったはずなのにいつも隣で支えてくれました。そんな主人の遠くから見守ってくれたり、時には共感してくれる寄り添い方が私には合っていたようです。

焦らずいこう、いつでもいいかとどうでもよくなった時、二度目の妊娠が分かりました。嬉しかった反面またダメだったらどうしようという気持ちが強く、病院へ行くのが怖くてたまりませんでした。

まだ経膣エコーをするには早い段階から受診し、前回聞いた薬を処方してもらいました。9週くらいまで毎週受診し、心拍が確認された時は嬉しかったですが毎日気が気じゃありませんでした。赤ちゃんもそれを悟ったかのようにつわりが酷く「元気だよー!ママ頑張って!」と言われているようでした。いつも不安でしたがつわりに耐えているうちに、いつの間にか胎動を感じるようになり、不安を感じる時間も減っていきました。

後半は服薬から血栓を溶かす薬の自己注射に変え、自分で怯えながら注射を打って過ごしました。これも赤ちゃんのため、産んであげるんだと気持ちを奮い立たせて頑張りました。最初から最後まで心配と不安ばかりでしたが、無事元気な子を出産することができました。

第二子を考え始めたとき

出産から2年ほどしてそろそろ2人目を育てたいと思うようになりました。

主人とも話し合い、以前と同様タイミングを取るとすぐに妊娠が発覚しました。抗リン脂質抗体症候群のためどこかで不安に思いながらも、また薬を飲んでいれば大丈夫だと変な自信がありました。

二回目の流産を経験し体質改善を試みる

心拍も確認され母子手帳ももらった次の受診で赤ちゃんは心拍を止めていました。エコーに写る赤ちゃんのサイズは大きくなっているのに心臓のチカチカが見えませんでした。どこかで一度出産できたのだから大丈夫だろうと思っていましたが、やはり体は正直でした。

先生からは、薬を飲んでも出産できるのは6割程度だから、今回は残りの4割に入ってしまったのだと聞き、第二子が欲しいけれどもまたダメだったら諦めようと思いました。

抗リン脂質抗体症候群は治らなくても、後悔しないために出来ることは何でもしてみようと思い、まずは情報収集をしました。同じ不育症で悩む人とSNSで繋がり、鍼灸をお勧めされたので不妊や妊活で有名な鍼灸院を調べました。自宅から1時間以上かかるところでしたが毎週通いました。鍼灸をすることで血流が良くなり悩んでいた頭痛が改善されました。

また子宝にいいと言われる温泉にも主人と一緒に2週間に一度通うようにしました。この温泉が特に体をあたためてくれたように感じます。鍼灸と温泉の効果もあり、2人目の妊活から取り入れた基礎体温の記録で体温が上がったのが分かりました。

食べ物や飲み物も冷たいものは避け、なるべく手作りしたご飯を食べるように心掛けました。これらの方法が良かったかは分かりませんが子宮が温まったのか、流産の手術後から妊活の許可が出てすぐに妊娠することが出来ました。

4回目の妊娠を経て

また薬を飲みながらの妊娠期間でした。不育症に安定期はありませんが、安定期辺りまでは心拍が毎回見られるか心配でした。

安定期辺りになると上の子の時のように胎動も感じられるようになり、不安だったのも軽減されていきました。妊娠期間は上の子の時とほぼ同じ流れで最終的には同じ週数で元気な子を産むことができました。

もともと6割ほどしか出産できないと聞いていたので、今回もたまたま順調だっただけかもしれませんが、体質改善のために行ったことも良かったように感じます。きっと何も行動せずにまた流産していたら、後悔して毎日涙を流して過ごしていたと思います。

今までの経験を経て、以前まではほとんどの人が赤ちゃんは自然と授かり、元に産まれてくるものだと思っていました。どの妊婦さんも幸せなんだと思っていました。でもそうではなく赤ちゃんが欲しいけどなかなか授からない人や流産を繰り返す人もいます。これから医療の発展が進み、みんなが可愛い赤ちゃんに出会える世の中がきてくれることを願っています。

Q&A

ももちゃん
「抗リン脂質抗体」について、通常の不妊検査では検査しない項目でしょうか。もしくは、当時は順調に妊娠されたので不妊検査は行っておらず、「通常の不妊検査で判明するか不明」なものでしょうか?

不妊症とは違うので不妊の検査では通常検査しない項目です。不妊ではなく普通に妊娠して流産したとしても(10人に1人くらいの割合で自然流産はあるそうです)、1回目の流産では不育症の検査はしていただけないそうです。不育症は2〜3回連続して流産する(習慣性流産と言います)または死産したり、出産しても赤ちゃんがすぐ亡くなったりする人に不育症を疑って検査されるそうです。

私は担当してくださった先生が1回目の流産だったにも関わらず、原因があるかもしれないので調べてみましょうということで血液検査をしていただきました。その病院や先生によって検査をすぐしてくれたり、してくれなかったりするみたいです。

ももちゃん
流産に関しまして、流産供養をされておりますでしょうか。

自然流産の場合まだ胎芽の小さな赤ちゃんがトイレに流れてしまうこともありますが、私の場合は手術で出してもらいました。ですが病院の意向で染色体異常を調べるために検体に出されました。なので自分で埋葬してあげることは出来ませんでしたが、もともと家にある仏壇に手術した日を月命日としてお供物をそえて手を合わせるようにしています。

お寺などで水子供養はしていませんが、水子は忘れずにいつも感謝の気持ちを持っていてあげるとそれだけで幸せなのだと聞いたため、自宅で手を合わせています。また流産した子に名前を付けて、プリザーブドフラワーが入ったガラスの額に名前と手術をした誕生日を書いてあげて(結婚式のウェルカムボードみたいなものです)忘れないようにしています。

ももちゃん
みなさまの妊活がうまくいくことをお祈りしております。

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