妊活の体験談

【体験談076】多嚢胞性卵巣症候群で不妊治療開始。相性の良い排卵誘発剤を試しながら人工授精に取り組む31歳女性の体験談をご紹介

体験談の画像76

今回は31歳で妊活を開始された方の体験談をご紹介いたします。

多嚢胞性卵巣症候群であることがわかっていたため、結婚後すぐに不妊治療を開始したそうです。他の原因は見当たらないとのことで、人工授精に何度かチャレンジし、現在も前向きに妊活に取り組んでいます。

ぜひ最後までお読みください。

プロフィール

名前:Mionさん(仮称)

妊活時の年齢:31歳

妊活期間:妊活継続中

不妊の要因:多嚢胞性卵巣症候群

不妊治療:タイミング法、人工授精

治療費:不明

多嚢胞性卵巣症候群で不妊治療を開始

私たち夫婦は3年前に結婚しました。当時私は31歳、夫は38歳でした。結婚前から子供欲しいねとよく話していたので、すぐに妊活を開始しました。

私にはもともと「多嚢胞性卵巣症候群」という排卵障害の疾患がありました。「多嚢胞性卵巣症候群」とは、卵巣で卵胞がたくさんつくられてしまうことにより卵胞の成長が途中で止まってしまいなかなか排卵できない疾患で、20~30人に1人の割合で見られるものです。症状としては、月経不順・にきび・多毛・肥満などがあるようです。

20代前半の頃から婦人科では何度か指摘されていて、ホルモンの数値を確認するための血液検査を受けたこともありました。当時の検査結果は問題なく生理も毎月来ていたので、まず基礎体温をつけ、自分の生理周期を把握し、自己流でタイミングをとることにしました。

しかし、半年が過ぎてもなかなか授からず、不妊治療について調べるようになりました。

「“不妊症”とは夫婦が妊娠を希望して性生活を行っているのにも関わらず1年間妊娠しないこと」という定義を知り、あと半年間自己流タイミング法で授からなければクリニックを受診してみようとなりました。

残念ながらその後も結果は出ず、クリニックを受診することにしました。当時正社員として仕事をしていたため、家からも職場からも通いやすい不妊治療に力を入れているクリニックを選びました。

「多嚢胞性卵巣症候群でも妊娠できないわけじゃないから頑張りましょう。」という先生の言葉に勇気づけられ不妊治療を開始しました。

優しい旦那様と協力しながら

クリニックではまずクロミッドという排卵誘発剤を処方され、タイミング指導を受けながら様々な検査を行いました。

血液検査や卵管造影検査(卵管の通過性を調べる)、夫の精液検査(精子の量や数、運動性、奇形率などを調べる)、フーナーテスト(性交後、子宮への精子の侵入を見る)、抗精子抗体検査(精子を異物として判断して作られる抗体や、その抗体ができることで精子を排除しようとする免疫機能の異常がないかを調べる)など一通りすべての検査はしたのではないかと思います。幸い検査結果はどれも異常ありませんでした。

クロミッドでの排卵誘発では子宮内膜が薄くなってしまいがちだったため、ゴナールエフという自己注射での排卵誘発に切り替えたりもしましたが子宮内膜の厚みは守られたものの卵の量が多くできすぎてしまったりと、なかなかうまくいきませんでした。

夫はとても協力的で、できることはなんでもするよと言ってくれていました。精液検査もすぐ受けて、タイミングもお願いした日に必ず取ってくれました。私が毎日のように薬やサプリを飲んだり、自己注射しているのを見て「頑張ってくれてありがとう。」とよく声をかけてくれました。また、生理が来るたび泣いて落ち込む私をいつも元気づけてくれてまた頑張ろうと前向きな気持ちにさせてくれました。

また職場では、私の他にも不妊治療している人がいたり理解ある人が多かったため、ありがたいことに無理なく通院することができていました。

しかし、私より後に結婚した後輩たちが立て続けに3人妊娠し、産休・育休に入っていく状況に次第に耐えられなくなっていき、夫に相談し仕事を辞めることに決めました。当時は、おめでたいことなのに素直に心から祝えなくて、なんて心の狭い人間なんだろうと自分を責めて本当につらかったです。

人工授精へステップアップ

仕事を辞めてストレスフリーになり不妊治療に専念できる環境になったと同時に、人工授精にステップアップをしました。一般的には、精子の運動性が悪かったり、子宮頸管粘液が少ない場合に有効的な方法なので、確率は上がらないとわかっていても少しの望みにかけて挑戦しました。

人工授精を受ける前色々調べると、痛みはほとんど感じないとのことだったので安心していましたが、私の場合は、ほんの数秒ですが卵管造影検査のときと同じ痛みを感じて毎回つらい思いをしました。結局3回挑戦しても妊娠には結び付きませんでした。

人工授精をしながら次のステップアップについても考え始め、それに伴って病院選びももう一度検討しました。

すぐ近所に不妊治療に力を入れている病院があり、月に一度開かれる不妊治療の説明会に参加しました。先生や看護師さんの雰囲気もよく、体外受精・顕微授精についての細かい説明や明確な料金の提示に好感を持ち転院することに決めました。

そこで自分の状態を話すと「以前のクリニックでレトロゾールというお薬は使ってないですか?」と聞かれました。レトロゾールは本来乳がんの治療薬なのですが、排卵誘発剤として多嚢胞性卵巣症候群の患者さんに使用し、妊娠する方も多いと教えてくれました。内膜も薄くならないとのことだったので、私の今までの悩みも解消される!とすごくうれしい気持ちになりました。夫とも相談し、レトロゾールを服用しての人工授精に2回挑戦し、結果が出ない場合はステップアップすることに決めました。

さいごに

そして今、最後の人工授精を終えました。

高温期はいつも、妊娠しますように!と強く願うと同時に、生理が来た時なるべく落ち込まないようにするため期待しすぎないよう気持ちにブレーキをかけたりと、感情がとても不安定になりますが、ついに不妊治療に対する助成金の拡充が決まり金銭面での不安が解消されたので、万が一ダメだったとしてもまだ次のチャンスがある!また新たな挑戦だ!とステップアップについて前向きに捉えています。

どうしてこんなに望んでいるのに私たちのところに赤ちゃんは来てくれないんだろう?私が相手じゃなければ夫はもうパパになっていたかもしれないのに…。などマイナスなことを考えたり悩んだりもしましたが、不妊治療を通して学んだこと、感じたことはたくさんありました。食生活に気を付けるようになり、以前よりはるかに健康的になりました。そしてなにより夫のやさしさに触れ、絆がとても強くなったように感じています。

この先もっともっと不妊治療に対する理解が増え、治療しやすい社会になることを願っています。

ももちゃん
みなさまの妊活がうまくいくことをお祈りしております。

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